麦焼酎のこだわり
1.麦焼酎とは
(ア)麦焼酎の種類
(1)麹による違い
- 1.米麹を使用したもの
- 現在では、壱岐焼酎などが代表的ですが、一時仕込みとして米で麹を立て、二次仕込みで大麦を加えたものです。日本の酒造りは米を原料とするのが基本形ですが、米の貴重な時代また、場所では米の代わりに代替作物の麦や米を原料としたところからその起源があります。つまり、歴史的には、この製造法のほうが、古いやり方ということになります。
酒質的には、やや重めの米麹の香りのする麦焼酎になります。 - 2.麦麹を使用したもの
- 一般的には大分の麦焼酎が代表的ですが、一仕込みに大麦を使って麹を立て、さらに二次仕込みで大麦を加えて製造したものです。
もともとは、戦時下の米不足の際に米麹の米が不足し代わりに麦麹を使ったのが起源とされています。
その後、大分県・福岡県を中心に軽めの香りのある、麦焼酎が開発され現在の主流となっています。
(2)製造法によるその他の違い
製造法によって変わってくるポイント
- 1.蒸留法
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- (ア)常圧
- 大気圧下での蒸留。蒸留温度が比較的高く香り成分の多い焼酎になります。
- (イ)減圧
- 減圧下での蒸留。蒸留温度が比較的低く、軽い香気成分の多い焼酎になります。
- 2.ろ過法
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- (ア)低温濾過について
- 蒸留直後に0度近くまで温度を下げろ過をすることで、油分を取り除きます。油分は一般には雑味の元とされますが、香気成分の元でもありますのでどの程度取り除くかで香味が変化します。
- 3.貯蔵
- 焼酎は、すぐに飲むにはあまり適しません。そこで、貯蔵することで味を熟成させます。蒸留してから3日、3週間、3か月、3年で大きく味が変化します。一般に、3か月が最低の貯蔵期間です。
- (ア)長期貯蔵酒
- 3年以上貯蔵した焼酎を特に長期貯蔵酒という表現をします。
これは、法律により定められているものです。
琉球王朝では5年以上貯蔵したものを特に古酒(クース)と呼んで区分した記録が残っています。
2.大麦焼酎原料についてのこだわり
大麦はその性質や形状からいくつかの種類に分けられます。
(ア)形状の違い
(1)六条大麦
穂についている実の状態が6スジになっているもの
もみ殻の比率が高いため麦茶などに向いています。
(2)二条大麦
穂についている実の状態が2スジになっているもの
実の比率が高く、反収もよく主流
(イ)粒質の違い
(1)はだか麦
被子がむき出しになっているため、逆に表面が厚い。主に味噌用に製造されている。焼酎にすると独特の甘みのある風味が生まれる。
現在、ほぼ国内でしか製造されていないため、生産量が激減しており、貴重。
(2)皮(かわ)麦
一般的に言うところの大麦。被子に皮が付いているため表面は比較的薄い。焼酎用をはじめ食用用・飼料用と多用途に使用されている。
(ウ)性質の違い
(1)もち
やや粘り気のある性質。
(2)うるち
どちらかというと固まりにくい性質。
(エ)品種
現在、焼酎用に使用されている主な品種にはこのようなものがあります。
麦焼酎に適した品種を選別するとオーストラリア産の方が粒の均一性、でんぷん質の多さ、硬さの程度、などの点で一般的にはすぐれている部分が多いように思います。特に平成20年度は国産の大麦の方が価格的にはすぐれていましたが、仕上がり的にはもう一つという感じでした。
(1)オーストラリア産
スターリング種(硬質系) アラポリス種(軟質系)
(2)日本産
ニシノホシ(皮麦) 一番星(はだか麦)
(3)カナダ産
3.麦焼酎を楽しむ
(ア)大麦焼酎の味わいの違い
弊社では、SSIの森純一氏の指導により、麦焼酎の味わいを表現するための基準を作りました。なにかのご参考になればと思い紹介します。
(1)考え方について
麦焼酎の味わいは香りと味の複合的な組み合わせにより分類で来ます。そこで、香りと味をそれぞれのスケールに乗せることで表現がしやすくなると考えました。
(2)香り基準
香りには、複雑さ度と軽快さ度の二つの基準を設けました。それぞれ5段階で評価します。
複雑さ度では、香りの輻湊性や複雑な香りなど、ボディの香り評価します。
軽快さ度では、香りの軽重や、トップノートの具合を評価します。
(3)味の基準
味には、しっかり度とすっきり度の二つの基準を設けました。それぞれ5段階で評価します。
しっかり度では味の深みや複雑さ、すっきり度では後味のキレなどを評価します。
(4)味と香りの基準を組み合わせる
それぞれの基準で評価した点を、グラフに書き込み、その形を見ながらいくつかの麦焼酎を比較していきます。

(イ)おいしい飲み方
(1)水割りの作り方
※水と氷は厳選してください。市販のロックアイスと軟水系のミネラルウォーターが最適です。
- 1.グラスに氷を入れかき回します。
- 2.少し氷が解けたところで、グラスの中の水を捨てます。適時氷は追加してください。
- 3.麦焼酎をお好みで注ぎ入れます。
- 4.ミネラルウォーターを注ぎ入れかき回します。5回半程度
(2)お湯割りの作り方
※お湯は軟水系のミネラルウォーターを沸かしたものが最適です。
- 1.水を沸騰させ、少し冷まします。
- 2.お湯を器に適量注ぎます。
- 3.お湯の上から麦焼酎を注ぎます。攪拌は不要です。
(3)前割
先ず、前割り焼酎を作ります。前日に、焼酎と水を半々に割ったものを用意し、冷蔵庫で保管します。
水は軟水系のミネラルウォーターが好ましいです。ピュアウォーターなら最適です。
- 1.水割り
- 冷やした前わり焼酎をそのままいただきます。ロックアイスを入れるとなおよいでしょう。
- 2.燗つけ
- 前わり焼酎を燗つけします。あまり温度が高くなりすぎないように注意してください。40~50度ぐらいがよいのでないでしょうか。
(4)その他
1.レモンや梅干しを入れたり、お茶で割るなどの飲み方をされることも多いと思います。麦焼酎は大変懐の深い焼酎ですから、お好みでいろいろな飲み方を開発していただければと思います。
ただ、麦焼酎は、同時に味わいの種類の多い焼酎でもありますので、焼酎の味わいと飲み方の組み合わせを色々と試していただいて、ご自分の好みの飲み方を開発してみてくだされば幸いです。

麦焼酎は文字通り、麦(主として大麦)から作った焼酎なのですが、その種類はいくつかに分けられます。